『いしいしんじの短編集』
いしいしんじさんの本は、「トリツカレ男」「麦ふみクーツェ」「ぶらんこ乗り」を読んでます。
へー、いしいしんじは短編も書くんだ、と思って読みました。
今まで読んできた本からして、ファンタジー色の強い、寓話的な短編ばかりかと思ったら、
意外と年取ったおかまの悲哀や、路上生活者の歌合戦といった現代的な生活の物哀しさを扱ったものや、山に住む獰猛な紅葉が出てくる荒唐無稽な話もあったりで、幅広いジャンルを書く作家だなぁと、認識をあらたにしました。
どの作品も悪くないですが、個人的には、いしいしんじに「トリツカレ男」ではまっただけに、やはり『肉屋おうむ』『カラタチとブルーベル』のような異国の寓話といったテイストの作品が好きです。